古いマニュアル式のフィルムカメラをはじめたい人・はじめたばかりの人、初心者の方々のための、とっても簡単なはなしをしています。
目次
- 今回は「f値・絞りの効果的な決め方」について
- ポイントは「ピントの合う範囲を変えることができる」ということ
- ボケさせたいなら
- 背景までピントがあったシャープな写真を撮りたいなら
- そんならピントの合う範囲ってどっからどこまで
- 今日のまとめ
- もっと詳しく知りたい人は
今回までのまとめ
・初回は露出の決め方についてでした。
露出について〜フィルムカメラをはじめたい・はじめたばかりの初心者の方のためのとっても簡単なはなし・その1 - 旅芸人 〜 タバスコとシナモン
・2回目はシャッタースピードのはなしでした。
シャッタースピードについて〜フィルムカメラをはじめたい・はじめたばかりの初心者の方のためのとっても簡単なはなし・その2 - 旅芸人 〜 タバスコとシナモン
これまでのはなしを簡単にまとめると、写真は光をカメラに取り込むこと、つまり「露出」で決まる。その露出は、「シャッタースピード」と「f値・絞り」で調整する。そして「シャッタースピードは、露出を調整するためのものだけではなくて、写そうとするものの「ストップモーション」の働きもする。
こういうものでした。
今回は「f値・絞りの効果的な決め方」について
3回目の今日は、f値・絞りの決め方についてです。
シャッタースピードに二つの役割、光の量の調整とストップモーション、この二つの役割があったのと同じく、f値・絞りを調整するということにも二つの役割があるのです。
f値・絞りの役割
1・光の量を調整すること。
2・ピントの合う範囲を調整すること。
この二つです。
特に2番目の「絞りを調整することでとピントの合う範囲を変えることができる」ということがポイントなんです。
ポイントは「ピントの合う範囲を変えることができる」ということ
・絞ったほうが(穴が小さいほうが)、ピントの合う範囲がより深くなる。絞れば絞るほと近くから遠くまでしっかりピントが合うようになる。
同じことを反対に言うと....
・絞りを開くほど(穴が大きいほど)、ピントの合う範囲が薄くなる。狙ったところにピントがあってシャープに写るけどそれ以外のところはふんわり・ぼんやりぼかすことができる。
ここんところは「覚えていただく」のがいいかなと思います。
え? 理屈はどうなんだよ!なんでそうなるんだよ!
こっちはグルメ番組みたくな、「被写体はカリカリ、外はふわっと」なボケが欲しいんだよ!だからカメラ買ったんだよ、ボケないなら、ツッコむよヽ(´▽`)/
はい。なぜ絞るとカリカリ、開くとボケボケ、疑問に思われるのも当然です。ワタクシもなぜなの?と思いました。それではですね...
・「被写界深度」
・「絞り」
・「錯乱円/許容錯乱円」
この三つのキーワードでググッって下さい。説明が出てきますね。
...わかんない...!
理解できなかった方、はい、私と同じです...
これはぼくの理解超えたわ。錯乱寸前ですわヽ(´▽`)/
そこをあえて、な説明をココロミますとですね...
この図は、ぼくの理解です。光学的に正しくないところもあると思いますが、この程度の理解で十分じゃないかともおもいます。
要するにレンズによってピントがあう範囲(上では「同じ幅」って青い字で書いてあります)が決まっている。(二次元の図なんで「幅」と書きましたが、本当は三次元の面積なので「円」なんですけどね。)その幅に挟まれたところの写真はピントが合う(ほんとは「あって見える」らしいんですけど、同じことだと思う)というわけ。だからレンズの穴、絞りの穴が大きいと、大きな角度で焦点に向かっていくから、ピントの合う範囲も狭くなる。一方で絞りの穴が小さいと、小さな角度(鋭い角度)で焦点に向かっていくからピントの合う範囲は広くなる...らしいよヽ(´▽`)/
このくらいにさせてください。まんざら間違ってはいないと思うけど、多分正確じゃないんだと思う。
話を戻して...
・絞ったほうがピントの合う範囲がより深くなる。近くから遠くまでしっかり写る
反対に....
・絞りを開くほど、ピントの合う範囲が薄くなり、それ以外のところはボケる、ふわっとなる。
ボケさせたいなら
だから、背景をボケさせたいのであれば、一つの方法は、絞りをできるだけ開けて、ピントの合う範囲を狭くして、写したいものだけにピントを当てて、背景をその外に置くこと。同じことを違う言い方をしますが、後ろをぼかしたいならできるだけ背景自身を遠くに置く、ピントの合う範囲から外すこと、前をぼかしたいなら、そのぼかしたいものとメインの被写体の距離を離して、ピントの合う範囲から外すこと。です。この場合は、光の量が多すぎると困っちゃうから、シャッタスピードは...そう、早く設定する。
背景までピントがあったシャープな写真を撮りたいなら
反対に、カリッとサクッとシャープな写真を撮りたいときは、絞りをできるだけ絞る。この場合は、光の量が足りないと、暗くなっちゃうから...そう、シャッタースピードは遅く設定する。
カメラの手ブレに気をつけてね。
そんならピントの合う範囲ってどっからどこまで
じゃあ、どっからどこまでの距離がピントが合うの?ってことですが、
一眼レフならファインダーを覗いてみれば、まあわかる。
それに、一眼レフでもレンズの根元にピントの合う範囲がの目盛りがついているのでわかります。
この状態は、5mのところにピントを合わせていて、上の写真のように絞りを「f 8」にしているなら2.9mくらいからずっと向こうの15mくらいまではちゃんとボケずに写りますけど、無限(∞)、ずっと向こう遠景ではちょっとボケちゃいますよ。そういう意味です。真ん中のリングがそれを示しているんです。
この目盛りがもっと活躍するのが、レンジファインダー式カメラや目測式カメラです。ファインダーから覗く視界はレンズを通しているわけではないのでそれだけではピントの具合はわからないのですが、レンズ周りのメモリを確認してみるとどっからどこまでにピントが合ってるのかわかる
レンズ周りにそんなメモリがついていないこともあんですけど、取説に書いてあったりする。
さてさて、何度も登場するこの下の表ですが...
これまで、シャッタースピードは1/125秒で固定して、天候によって絞りを調節することをオススメしてきました。
今度は、同じ天気のときでも絞りを開けたり、絞ったりして、写真のいろんな表情を楽しんでみましょう。そのときのシャッタースピードは、はい、表に出ている通りですね。例えば、晴れの日、絞りを4、シャッタースピードを1/1000にしてみると、離れた背景はボケてくれるでしょうし、f16まで絞ってみて、シャッタースピードを1/60にしてみると、くっきりはっきりの写真になるはずです。ただし、シャッタースピードを遅くしたときには、手ブレには気をつけてくださいね。
さて、気になるお味は...ふん、ふん、え〜、これ、すごい美味しい、中はカリカリ〜、周りはふわっとやわらか〜!
今日のまとめ
f値・絞りの役割は、光の量を調整することに加えて、ピントの合う範囲を調整することである。絞りを絞れば、ピントの合う範囲は広くなり、カリカリのシャープな写真になるし、絞りを開ければ、ピントの合う範囲は狭く、周りはぼけっとふわっとゆるふわになる。
もっと詳しく知りたい人は
カッコよさそうだけど、楽しそうだけど、難しいんじゃなかな... と戸惑ってらっしゃる方の背中を押そうと、とっても簡単にフィルムカメラをはじめることができる・とにかくちゃんと写真を撮ることができる、そんなポイントをまとめています。以下の記事もぜひご参考にしてください。
1・露出について〜フィルムカメラをはじめたい・はじめたばかりの初心者の方のためのとっても簡単なはなし・その1 - 旅芸人 〜 タバスコとシナモン
2・シャッタースピードについて〜フィルムカメラをはじめたい・はじめたばかりの初心者の方のためのとっても簡単なはなし・その2 - 旅芸人 〜 タバスコとシナモン
3・絞りについて〜フィルムカメラをはじめたい・はじめたばかりの初心者の方のためのとっても簡単なはなし・その3 - 旅芸人 〜 タバスコとシナモン
4・ローライ35なんてこわくない! ・ 目測/目測式カメラの使い方・とっても簡単なはなし・その4 - 旅芸人 〜 タバスコとシナモン
5・自分のカメラを探してみよう! 〜 フィルムカメラをはじめたい・はじめたばかりの初心者の方のためのとっても簡単なはなし・号外 - 旅芸人 〜 タバスコとシナモン
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