旅芸人 〜 タバスコとシナモン

カメラと写真・朽木鴻次郎

ローライフレックスSL35

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2015年6月に、ローライの一眼レフ、SL350を買ったんです。大昔、サイゴンで旧南政府の従軍カメラマン(当時は床屋さん)から中古で買ったのと同じ型のカメラです。そのことは先日記事にしました。

ローライフレックスSL350 - 旅芸人 〜 タバスコとシナモン


四ヶ月後、同じ年の2015年10月、オークションサイトでその「SL350」のひとつ前のモデル「SL35」を購入したのは自然の流れといえようか。

・SL35   : 1970年発売開始
・SL350 : 1974年発売開始

 

35は絞り込み測光、350は開放測光です。この違いについては、別の記事にまとめることにいたします。

 

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デザイン的にはほぼ同じ。35ではアクセサリーシューがオプション。それと35には絞り込み測光用のボタン(黒いもの)が、トップカバーのこちらか見て左についています。あと、前面のセルフタイマー基部がちょっと違うかな。

 

下の写真の巻き上げレバーの前にある黒いボタンが絞り込み用のボタンです。

 

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シンガポール製です。今でこそ成功した都市国家、クリーンシティ、南アジアのハブとして存在感とステータスを確立したシンガポールですが、1970年代の初頭では、「えー、東南アジアで組み立てたカメラ〜?( ´艸`)プププ ダメだよそんなの......」てな印象だった。


シンガポール製、そのこともあって、このカメラはあんまり成功しなかったみたいです。

でも、同じフランケ&ハイデッケ社(ローライ)が出してるコンパクトカメラ「ローライ35」はシンガポール製でも売れ続けてたもんな...... SL35シリーズがうまくいかなかったのは、単に「シンガポール製」であることだけではないのでしょう。


ローライが傾いたのもこのカメラが原因だ!って人もいるくらいです。ひどいな.......

 

日本のカメラが頑張ったし、時代の流れもあるし...... 仕事や事業がうまくいかなかったとき、人生に不幸が訪れたとき、あとで色々とその原因が語られます。そして、それはそれぞれに正しいのだろうけど、それだけが正しい答えだとは思えない。

 

日本のサイトを見ると、「ドイツのカメラは、それまでの成功体験がために時代の革新に遅れをとった。日本のカメラは、ドイツの技術への脅威・危機感から、必死に努力し成功した」と説明されている。

英語のサイトを見ると、「日本の大カメラ企業は、その豊富な資本力に物を言わせ、広告宣伝・今風に言うと企業間コラボなどあらゆる手段を使って売り上げを伸ばし、結果、ドイツは負けた」と説明されている。

どちらも正しいのだろうし、また、どちらもドンピシャの正解ではないような気もします。日本国内のカメラメーカーだって、栄枯衰勢、大変だったんだし。

日本メーカーは、「敗戦の中から必死の努力で立ち上がり....」というけど、ドイツだって負けたんだ。おまけ40年にわたって分断されていたんですよ。

80年代こそ、カメラ産業は世界市場で日本メーカーの群雄割拠だったかもしれないけど、90年代からだんだんデジタルカメラが普及していく過程の中で、カメラメーカーだけではなく、その協力会社・工場群、フィルムメーカー、現像焼き増し(DPE)業界関連、街のカメラ屋さん、みんなガラリと変わってしまった。

デジタル化の中で、総合光学大企業として生き残っている会社。

内部抗争やコンプライアンス問題というカメラの機能性能とは全く関係のない理由で、立ち行かなくなった企業。

デジタル・カメラに目をつけて大胆に参入してきた大手電機・電子メーカー。

ブランド力を生かし、巧みに、必死になりふり構わず生き残っている企業もある。

 

21世紀も17年が過ぎると、単体のカメラという機械自体の存続さえ危ぶまれる状況だ。


運命なんだと思う。人が必ず歳をとって、老いていき、死んでしまうように。

 

 

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SL35には、革のケース(速写ケース)がついていました。

 

このカメラは、デザインがとてもよくて形のいいカメラだと思います。SL35のアクセサリーシューがついていないものはとってもスッキリしている。

 

レンズのマウントは、QBM(クイック・バヨネット・マウント)なんですが、ローライ純正のマウントアダプターを使うと、M42マウントが使えます。絞り込み測光で問題ないです。QBMレンズはアダプターを介してミラーレスデジタルカメラなどに装着が容易で、オールドレンズをそうして楽しんでいる方も多いみたいですね。

 

35/350を買っただけでは満足できず、ブラックボディ、QBMレンズへと進んでしまいました。歴史の必然なのであるヽ(´▽`)/ 

 

 

 

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