〜 タバスコとシナモン 〜

カメラと写真・朽木鴻次郎

カメラの露出自動決定メカニズムの呼び方について

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上の写真は、オリンパス・ペンのEES-2。EE式ペンのスペシャル(Pen-EEよりレンズがちょっと良い・ゾーン目測でピント合わせができる*1)の2型です。

 

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Pen EES-2 もう一枚

カメラの露出を自動的に決定するメカニズムについて、かつてはEEといい、その後AEという呼称に変わって、現在に至っています。

EEは「エレクトリック・アイ Electric Eye 電気の目」のことであって、AEは「オートマチック・エクスポージャー Automatic Exposure 自動露出」の略ですね。

EEのことを和製英語であるとしているご意見もあるようですが、1956年発表の米国製ムービーカメラで採用された自動絞機構の呼称が米国でエレクトリック・アイであったことをオリンパスの桜井栄一氏は紹介していますので、少なくとも和製英語ではないと思われます。もっと以前から使われていたのかもね。

ただし、絞りを人間の瞳(瞳孔)に擬して、電気的に開いたり閉じたりする機構をエレクトリック・アイという限り、厳密にはシャッタースピード優先式の自動露出機構がEEであって、他方、絞り優先式で電気的にシャッタースピードが決定される機構はEEではないだろうというわけで、AEという語法に変わって行ったらしい。

いま、絞り優先式・シャッタースピード優先式と書きましたが、別の方式があります。カメラの側でシャッタースピードと絞りの組み合わせの一番良さげなものを自動的に決めてしまう機構。これを「プログラム式」自動露出決定機構というようです。

光の状態(EV・LV)によって、絞りとシャッタースピードの組み合わせはいくつもあるわけですが、カメラが、これでしょ! と一つに決めるわけですな。


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オリンパス35DC。プログラム式AEのカメラです。

旅先で気楽にパシャパシャ写真を撮るときとか、雨の日とか、夜とかくらい部屋の中とか、カメラに自動的に露出を決めてもらうのは、気楽で便利ですね、実際のところ。これは、ペンのEES-2を使っていて実にそう思いました。

マニュアル撮影にこだわることもない。自動露出、これもありでしょって。

そんなわけで、オリンパスの35DCを使って見ると、すごいいい感じだよヽ(´▽`)/

 

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オリンパス35DC + lomo 800 夕暮れの京都三条・ハチミツ屋さんの店先


もちろん、機械式のフルマニュアルで、絞りもシャッタースピードも自分でこうしたいところに決めて、ピントをキューって合わせて撮る写真も楽しいのですけどね。

どっちが良くてどっちがダメって話じゃない。どっちもありでしょ、状況と自分の気分によっては。そういうことです。

++++

 

使われだした時代の先後は別にすると、AEは自動露出機構の総称で、その中に、絞り優先式、シャッタースピード優先式、プログラム式があって、特にシャッタースピード優先式で絞りが自動的に決まる露出機構のことをかつてはEEと言った、そういうことなんでしょうね。

あーすっきりした。

 

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*1:Pen-EEはピント固定式